事業承継税制はやらない

事業承継税制はやらない

事業承継税制は今や国策の様相で、税理士会もパンフレットを作って大ブームの様に思いますが、

私は絶対にやりません。ほかの方法を考えます。


事業承継税制が成立した経緯は下記です。


A 農地は承継しても相続税・贈与税がかからない制度が出来ました。(農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例)

B その後自宅や仕事に使っている土地の評価を大幅に下げて税金がかかりにくい制度が出来ました。(小規模宅地の特例)

(但しAとBには決定的な違いがあります。)

A 農地は売却したら過去に支払わなかった相続税・贈与税を遡って支払いますが、

B 自宅等の土地は売却しても遡って支払いません。


C その後「農地や自宅等は税金がかからないのに何で中小企業株だけ税金かかるの?」

という議論が起きました。そして事業承継税制が鳴り物入りで成立しましたが、

中小企業株をその後売却したらA 農地コース(売却で過去の税金がかかる)をとるのか

B 自宅等コース(売却で過去の税金がかからない)をとるのかどきどきしてましたが、どうなったと思いますか?

なんとA 農地コースをとりました。売却したら遡って税金を支払うのです。興ざめです。

今後の企業の成長や分割、売却または納税の仕組みづくりに多大なブレーキがかかるでしょう。

これも保険と同じでまずは事業承継税制を使わない方法を考えるべきと思います。