複式簿記ルール

スポーツと科学は良い相性を持っています。スポーツ科学の学部を設ける大学が10校を超えてきました。科学的データなしにトップアスリートになったり、その地位を維持したりすることは不可能です。

経営は料理と似ています。
  下準備から仕上げまで、常に注意が必要です。
  創造性と工夫も求められます。
  経営でこれらを数値で表したい場合、複式簿記が理想的です。

複式簿記は一連のルールです。複式簿記のルールに従うと、
  1.利益計算を行うと同時に、その利益がどこに蓄積されているかが明らかになります(野球のスピードガンと個人記録の関係に似ています)。
  2.反則をすることができません(選手の怪我を予防し、怪我しやすいフォームを修正するために)。

複式簿記は一種のルールです。このルールに従えば、利益がどこに蓄積されているかを利益計算と同時に把握できます(野球のスピードガンと個人記録との関係に似ています)。会社の利益状況を知りたい場合、以下の二つの方法があります:
1. 単式簿記では、売上、仕入れ、経費を集計し、売上-仕入-経費=利益として計算します。しかし、利益に相当するお金が残っていない場合、パニックに陥ることがあります。
2. 1月1日の通帳残高と12月31日の通帳残高を比較し、増加した金額を利益とする方法です。ただし、利益を使って設備投資や借金返済をしている場合、正確な利益は計算されません。
複式簿記のルールを用いると、利益の計算とその利益がどこに蓄積されているかを同時に説明することができます。複式簿記のルールがないと、設備投資計画、販売計画、納税計画がスムーズに進まないでしょう。簡単なものでもいいので、早めに複式簿記を取り入れることをお勧めします。

複式簿記は一種のルールです。このルールに従えば、違反は発生しません(選手の怪我の予防や怪我しやすいフォームの修正など)。スポーツ選手にとってフォームの修正は困難かもしれませんが、怪我の予防のためには、フォームの修正を最優先で行うべき課題です。

売上、仕入れ、経費をそれぞれ集計し、売上から仕入れと経費を差し引いて利益を算出する方法(単式簿記)は、集計の誤りが致命的です。人間は誤りを犯すものです。完璧を求める単式簿記は、実は不完全なルールであると言えます。

複式簿記は取引を二つの部分に分けます。「現金売上」という取引を、①売上の増加と②現金の増加、この二つに分けるのです。ここで重要な二点を指摘します。
1. 売上を見逃しても、単式簿記では致命的ですが、複式簿記では小さな問題に留まります。なぜなら、複式簿記では増加した現金の原因を必ず考えるからです。「現金が増えたけど、何だったっけ?ああ、売上ね」と思い出して修正できます。
2. 不正行為ができません。例えば、実際には存在しない売上を故意に増やそうとする場合(上の例で言うと、「①現金が増えて②売上が増えた」のうち、②売上だけを増やす場合)、もう一方の「①何か?」も増やさなければならず、その「①何か?」で嘘をつくと、その嘘が将来にわたって記録されてしまいます。この機能は単式簿記にはないのです。
このように、複式簿記のルールにより、不正ができないため、経営の健全性を保つことができるのです。